鉄は、じつは軽い。 ムービーを見る
鉄が軽い?
他に、もっと軽い素材があるじゃない。
そんな風に思う人も、大勢いると思います。
でも、本当は、鉄はとっても軽いんです。
軽い、と言っても
重さが軽いだけではありません。
リサイクルにおいても軽快で、
何にでも、何度でも、
軽やかに生まれ変われるのです。
そして、製造時のCO2排出が
他に比べて少なく、
また、寿命を終えた製品(ゴミ)も
軽やかに再生することができ、
地球への環境負荷がとても軽いのです。
他の工業素材に比べ、鉄は軽量で軽快、
そして低環境負荷。
だから、鉄は軽いのです。
鉄はさまざまな技術開発により強度が向上し、例えば薄鋼板では同じ強さのために必要な厚さ3分の1で済むようになりました。大きな人の方が力強い感じがしますよね。でも、身体の秘密がわかってくると、効率的に筋肉を強めることができるようになり、小さな体でも、大きな人と同じかそれ以上の力を発揮できるようになりました。それとおなじです。鉄を研究し続け、技術が進むことで、鉄の強さが増し、鉄製品は「軽さ」を実現しています。鉄は今後もさらに進化を続け、さらに期待の素材となっていきます。
鉄は、強いから、
軽くなれる!
■鉄の強度の歩み
鉄の理論強度は現在の鉄鋼製品の
2~10倍と言われています。
■自動車用素材の強度あたりの比重
(出典:アーサー・D・リトル:重要技術分野に関する技術動向等調査成果報告資料(2014)を一部改編)
鉄は磁石でほぼ完全に取り分けることができ、また、他の素材と異なり不純物を取り除くことで純度の高い鉄に戻すことができます。そのため、世の中の鉄のほとんどがスクラップとして回収され、その全量が鉄に再生されています。あなたの手元にあるクッキーの缶も、以前はあなたを乗せた路線バスだったかもしれません。そしてクッキーの缶としての役目を終えたら、未来を拓くロボットに変身しちゃうのかも。
だから鉄はリサイクルの王様と呼ばれるのです。鉄は次の役割を果たすため、何度でも、なんにでも「軽やか」に生まれ変わる素材です。
鉄は、不純物を除去できるから、
軽やかに再生する!
■鉄の軽やかな再生・循環
(出典:日本鉄鋼連盟、worldsteel: World Steel in Figures 2017、Bureau of
International Recycling: World Steel Recycling in Figures 2012-2016)
■酸化精錬による不純物の除去
出典:平木岳人他:第23回廃棄物資源循環学会研究発表会(2012) 23.269を改編
ビル、橋、自動車、船、容器など、多くの場面で必要とされる鉄を、もし他の素材で補おうとしたら、CO2の排出量は大幅に増加してしまうでしょう。
CO2排出量だけでなく、再生の難しい素材は製品としての寿命を終えれば廃棄物となり環境汚染につながりますが、鉄製品は再び製品としてよみがえります。
鉄は、製造~使用~リサイクルというライフサイクル全体で考えると、環境への負荷がとても「軽い」素材と言えるのです。
鉄は、「作るとき」も「使うとき」も
地球にやさしい!
■自動車用素材の製造時のCO2排出量
(重さあたり)
(出典:WorldAutoSteel:Aviation and Auto Sectors Look to Lightweightingを一部改編)
■自動車用素材の製造時のCO2排出量
(等価機能部品あたり)
(出典:WorldAutoSteel:Aviation and Auto Sectors Look to Lightweighatingを一部改編)
■ガソリン自動車における各素材のLCA
(出典:WorldAutoSteel:Comparing Material Usage in Production Vehicle Efficient Designsを一部改編)
■電気自動車(EV)における素材の違いによる
生涯エネルギー消費量
(出典:WorldAutoSteel:Battery Electric Vehicle Life Cycle Energy Aluminium vs. AHSSを一部改編)